2019年も3日目になりました。
遅ればせながら、皆様
明けましておめでとうございます。
賃金や労働時間など「格差是正」が叫ばれる昨今ですが、格差って是正されるでしょうか?
されませんよね?
今後、淘汰されるのは分厚い中間層。
勝ち組か負け組の両極端に振り分けられ、一億総中流は遠い昔になりました。
今後はさらに悪化し、お小遣いもあまり増えない生活に落ち込んでいきそうです。(あれ?今と変わらない?)
それに賃金もそうですが「受けられるサービスの格差」も重要です。
今回、飛行機の搭乗で優遇を受けられる「航空会社の上級会員」を考えてみます。
航空業界もLCCの台頭で経営が苦しくなっていて、今後のターゲットにしたいのは(搭乗単価の安い)修行僧で間違いないと思っています。
さて、日本のフルサービスキャリアが本業(搭乗)で利益を上げたいと考えた場合、敵が多いのが判ると思います。
日本でLCCと聞いて真っ先に思い浮かぶのはピーチ・アビエーションだと思いますが、もうフルキャリアはピーチに負けているってご存知でしょうか?
単純にHPに載っている数字から出しただけですが、
従業員1人あたり
売上高
JAL 約0.4億円
ANA 約0.45億円
ピーチ 約0.46億円
営業利益
JAL 約610万円
ANA 約390万円
ピーチ 約510万円
です。
ピーチはANAの連結子会社なので、ANAを並べるのはどうかとも思いましたけれども一応置いてみました。
そのピーチアビエーションが、同じANAを親会社にもつバニラエアと合併する話はすでにご承知かと思います。
国内距離の場合
価格重視ならLCC!
単純に若い世代が価格重視で追い求めるなら、JALやANAはもう古いでしょう。
「空飛ぶ電車」
ピーチが最近訴えているイメージです。
私が持っているイメージは 「詰め込むけど安いですよ」 ←こんな感じ?
若年層が体力重視で、そして個人旅行で考えるなら、ピーチやバニラは移動手段として筆頭に上がるのではないでしょうか。
かく言う私も、関西ー釧路には非常に興味をそそられています。
羽田以外からの重要な輸送ルートに押しあがってしまいました。
釧路に限らず、多くの地方空港がLCCの参入に期待しています。
まぁ、LCCを呼べるかどうかは地方の努力も必要ですけどね。
国際線近中距離
日本から見て、ですからアジア圏
ここは人口増加率が高い反面、競合が多すぎます。
LCCの進出がはげしく、台湾、中国主要都市、香港なんてもう価格競争の時代に突入しましたよね?
ピーチやバニラで台湾や香港、春秋でハルビンなんて普通でしょ?
価格競争に出るためにはLCCしかありません。もちろんラウンジなんて使わせませんよ?
既にピーチがバンコクまで進出しています。
価格競争でいくと、日本の2大キャリアは勝ち目がありません。
ラウンジを設置するより、少しでも価格を下げて搭乗率をあげます。
JALがLCC会社を設立して投入するのもうなずけます。
しかし、この東南アジア路線に、新ピーチが本格参入します。
2020年にはシンガポール・チャンギ空港への就航がほぼ決まっているようです。
JAL系TBLが目論んだ国際中距離は、ANA系に先を越されました。
SQ,MH,TGと、激烈な競争を生き残ってきたバイタリティ溢れるプレイヤーも巻き込んだ戦いが行われそうな気がしますよね?
そうなると、エコノミーでのシンガポールやクアラルンプール修行に高い積算率を充てることは日系2社には負担が大きいのではないでしょうか。
高い積算率で搭乗してくれる客には手厚い待遇をします。
安い積算率でも手厚い待遇してあげますけどこれまでよりも多く乗って下さいね、みたいな?
長距離ならどうか
ターキッシュエアラインズは本拠地のイスタンブール空港を移転新装し、完全開港するとキャパシティー2億人/日になるそうです。
採算がいくらか知りませんが、1割としても1日に2千万人以上の集客をするでしょう。
利用者数を確保するために、価格競争に出てくるのは間違いなさそう?
アライアンスに加盟してないエミレーツ、エティハドや、ハブられているカタールは産油国の強みで燃料費分を安くできます。
独自で世界中に飛ばしています。
本拠地空港でのサービスは素晴らしく、貴族にでもなった気分になります。
特にカタール航空は、2019年内のワンワールド連合脱退を表明しています。
もうブリティッシュエアやアメリカン航空に遠慮することなくなりふり構わない攻勢にでてくるんじゃないでしょうか。
(脱退してもJALとは国内線も含めコードシェアをしていますが、気になるのはマイル加算ですね)
他にもマレーシア航空やシンガポール航空、タイ航空、フィンエアー、BA、エールフランスなどその国を代表する「ナショナルフラッグキャリア」は民間企業ですけれども国策企業でもあります。
自国のエアラインが衰退するのをだまって見ているとも思えません。
フルサービスキャリアが生き残るためには、
「値段は(少し)高いけど、こっちのほうが絶対サービスが良い」
と利用客に訴えなければなりません。
であれば、ファーストクラスやビジネスクラスを購入してくれる高単価客、何度も搭乗してくれる贔屓客をもてなすしかないじゃないですか?
加えて、エコノミー席では価格面においてもある程度LCCに対抗する必要がありますよね。
その矛盾するとも思える方針を支えてくれる存在は「修行僧」しかいないと思うのです。
ダイヤモンド会員の待遇は上がる?
上級会員 = 言ってみれば搭乗回数 × 価格 です。
(実際はPPやFOPによる算出)
何度も乗ってでも! 高いシートを買ってでも!
そうやって上級会員を目指して(維持して)くれる客(修行僧)に手厚いサービスを。
ただし、あまりにも単価の安い搭乗は利益に結び付きませんから、安い搭乗券の加算率はちょっと下げますよ。
それが最近のANAの方針ではないかと考えています。
マイルの積算条件 | ANA国際線 | マイルを貯める | ANAマイレージクラブ
旅割X(エックス) | 運賃のご利用条件 [国内線] | ご予約/旅の計画 | 国内線航空券予約・空席照会 | ANA
いずれJALも追随するのは想像に難くありません。
一度に複数の搭乗券を発券したときのGSさんからの目が笑ってない笑顔でHPを削り、CAさんからの「お帰りなさい」コールに羞恥と喜びを覚えつつ、
人間性を犠牲にしながら掴んだ上級会員のご褒美は待遇です。
待遇をわかりやすい面で言うと、空港ラウンジです。
JALは2016年あたりから国内空港のラウンジを拡充しています。
伊丹、福岡、那覇にはダイヤモンドプレミアラウンジを設置改修、
広島、小松、松山、福岡などはサクララウンジをリニューアル。
上級会員への待遇は上げるしかありません。下げられないのです。
主要空港である関西空港にはJALファーストクラスラウンジが無いので近い将来、新しく設置される可能性が高いと思っているのですが、
JALは関西空港(現経営陣?)に対する不信感がかなり強いらしく、関西空港に追加投資する姿勢を見せません。
東京オリンピックに間に合うのは無理かも知れませんね。
大阪万博に間に合えばラッキー、くらい?
ANAもまた、ホノルルにラウンジを新設し、スイートラウンジからは直接2階席へ搭乗できるようです。
両社とも、どの会員に手厚くするかを端的に物語っています。
他に考えられるのはマイル加算率、コンシェルジュかと思うほどの電話応対...。
ダイヤモンド会員になったら待遇がめちゃめちゃすごい!
と思ってもらえればLCCより高くても
「これからもこの会社を利用しよう。ステータスを維持しよう」
と思うはずです。
フルサービスキャリアが生き残るための利益を訴求できる相手は、もう上級会員(特にダイヤモンド会員)しか居ないわけです。
高い席を買ってくれる、何度も乗ってくれる。
そういう客を逃がすわけにはいきません。
ここに今後、待遇の格差は拡大するだろうと思える理由があります。
加えて、ダイヤモンドに到達する可能性のあるANAプラチナ・JALサファイヤ会員にも+αの待遇アップも考えられますね。
エコノミー客のサービスにはコストを重視したギリギリのところで済ませながら、
自社を支えてくれるロイヤリティを持っている顧客には更に手厚いサービスを続けなければならない。
これが格差が拡大するであろう、理由になります。
↓↓上級会員を体験してもらって、病み付きにする作戦ですよね(笑)
ん、そう考えると、平SFCや平JGC会員(乗らない会員)の待遇は将来的に下がりそうですね。
と思う、現在は平SFC会員の私です。