ホテル宿泊で貯まったポイントは、無料宿泊で利用するのがお得!
と言われますが、どうもそう思えないんですよね。
ポイント宿泊を考えない人もいる
ホテルポイントを貯めれば無料宿泊できる!
そんな夢を見ている時期もありました。<...( = =) トオイメ
でも現実はそんなに甘くないということもこの3年ばかりで理解してしまいました。
繁忙期に使えない
ホテルポイントを無料宿泊に利用する場合、ポイントの価値が一番高くなるのは「繁忙期」です。
お盆や正月、連休など繁忙期であっても、たいていどこのホテルチェーンも『ブラックアウト(除外期間)なしでポイント宿泊できます』と書いてありますが、
飛行機の特典航空券と同じように、ポイント宿泊のために用意された部屋数には限りがあります。
ポイントを使おうと思っても、肝心の部屋が空いていなければ意味がありません。
特にお盆や年末年始、春休みなどは集中してしまって希望するホテルに宿泊できないこともよくあります。
そして、繁忙期に使おうと思っても、その時期に休めない人もいます。
例えばサービス業に従事している方々はそういう時期は書き入れ時で本業が忙しくてとても連休など取れなかったり、のんびりホテルに泊まろうなんて考えられないんじゃないでしょうか。
一つの指標
「ポイントを宿泊で使うのは得か損か?」
その一つの目安になるのが「ポイント+キャッシュ」での宿泊ではないでしょうか。
これも宿泊する日の混雑度によって大きく左右されますから一概には言えませんが、
閑散期であれば宿泊に使うのはもったいない!と断言できそうな気がします。
IHGを例にとりましょう。
最上段、ANAクラウンプラザ神戸に2月18日(月曜日)から1泊の予定を入れます。
最安料金が¥8360で宿泊できるのに、
わざわざ30000ポイントを使ったうえに¥6077も支払って泊まる。
ポイントのみにすると約2倍近いポイントが必要と考えたときに、
果たしてそれはお得なのでしょうか?
私なら迷いなく現金のみ(クレジットカード)で宿泊します。
調べてみるとホテルポイントは
・使いたくても希望するホテルに空室がない
・使いたくてもその時期に休みがない
このように需給のアンマッチが発生しやすく、
結局、
繁忙期に使いたいけれど、繁忙期には使えない。
というジレンマに陥ります。
ポイントでの無料宿泊を否定するものではなく、素晴らしい会員プログラムだと思います。しかし、利用者のおかれた状況によっては宿泊でポイントを使わない方がよい場合もあることも判りました。
日本では使う時期が集中してしまいがちですが、海外でその地域特有の事情が関係ないなら海外旅行での無料宿泊に利用する、あるいは他の特典に交換するのも一つの考え方かと思います。
国内でなじみのある4つの世界的ホテルチェーンで、宿泊で得られるポイント、無料宿泊のポイントのレートを考えてみました。
ホテルグループによって1ポイントの数え方が違いますので、共通化するためにマイルに換算してみます。
1泊200USドルで宿泊して獲得できるポイントは、何マイル相当か、です。
注1:マイル換算する場合、航空会社の基準が幅広いのでJAL・ANAのマイル数と同等の水準という前提です。
注2:為替は2019年2月辺りのざっくりとした計算です。
IHGの場合
インターコンチネンタルホテルズグループ。
売上:17.84億USドル
アメリカ本拠で、世界100か国以上に4500軒以上のホテルを運営しています。
2017年にキンプトンを、2018年にリージェントを、そして2019年にはシックスセンシズを買収しており、巨大ホテルグループの拡大志向は止まりません。
宿泊でのポイント
宿泊: 1USドル = 10ポイント
マイル移行: 1万ポイント =2000マイル
(1ドル利用あたり直接2マイルとして航空会社に加算も可)
200ドルで2000ポイント=400マイル
エリートなら最高+100% で800マイル
こう考えると、上の例で出したANAクラウンプラザ神戸のポイント&キャッシュでの3000ポイントは600マイル相当ということになり、マイル単価約4円での利用になります。
通常のポイントレートとして妥当な線かもしれませんね。
マイルの得やすさでマリオットに勝てないように見えるIHGですが、強力なキャンペーンを展開することがあり、条件を満たせば一気にポイントが手に入ります。
一律の条件ではなく会員のレベルごとに違ったものを用意しているようで、下は平会員(私)のものですが、上級会員なら用意されているポイントはさらに多いのではないでしょうか。
あっちこっちに宿泊するので、お遣いクエスト! って感じですけど(笑)
ポイントを利用する
東京と横浜にある4軒のインターコンチネンタルホテルに無料宿泊するための必要ポイントがいずれも55000ポイントです。
マイル換算で11000マイル。
平会員なら1マイル約55円で手に入れたポイントですが、マイル単価4円以上で利用できるなら無料宿泊で使ってもよいかもしれません。
通貨払いが一泊44000円以上する場合ですね。
宿泊料金が高騰する時季に使えないなら、海外で使うかマイルに移行してビジネスクラスの特典航空券にしたほうが良さそうです。
ヒルトンの場合
売上:89.6億USドル
世界で2番目に大きいホテルグループです。
2016年に中国企業の海南集団が株式の25%を保有し、中国の影響を完全には否定できなさそうです。
情報漏洩には気をつけたほうがよいでしょう。
宿泊でのポイント
宿泊: 1USドルごとに10ポイント
マイル移行: 1万ポイント =1000マイル
200ドル宿泊で2000ポイント=200マイル
エリートなら最高+100% で400マイル
日本在住者ならVISA提携のクレジットカードの決済により、
1000円で10ポイント
も追加で得ることができます。
クレカ保有のメリットとしては、
少額でも決済することで宿泊しなくてもホテルポイントの消滅を予防できるのと、
ゴールドカードであれば、自動的にゴールド会員にランクアップされることでしょうか。
ゴールド会員はヒルトンホテル宿泊で無料の朝食が付きますし、空き室状況次第でラウンジが利用できるクラブフロアにアップグレードされやすくなりますね。
宿泊ごとにポイントを追加しますよ、のようなキャンペーンもやっていますが全体的に見ると獲得できるポイントが比較的少ないと思われます。(個人のイメージなので、間違っていたらすみません)
ポイントを利用する
1万ポイント=1000マイルで航空会社に移行
コンラッド東京に無料宿泊するための必要ポイントは90000ポイント。
マイル換算で9000マイルになります。
ありゃ?4万5千円以上の日なら利用できそうですね。
無料宿泊で使えるなら、ビジネスクラスの特典航空券よりもお得そうですが、
問題はポイント獲得コストがマイル換算あたり100円を超えることでしょうか。
マリオットの場合
売上:228.9億USドル
運営ホテル数は5500軒以上。アメリカに本拠を持つ世界最大のホテルチェーン
国内の陸マイラー界隈では説明の必要がないほど有名。
宿泊でのポイント
宿泊 1USドル=10ポイント
マイル移行 3ポイント=1マイル
200ドル宿泊で2000ポイント=666マイル
エリート会員なら最高+75%で1165マイル相当
さらに中国東方航空の上級会員、エミレーツの上級会員は宿泊ごとに料金に応じた航空マイルが加算されます。
ポイント獲得コストは、平会員でもマイル換算あたり約33円
宿泊で得られるポイントとしてはダントツの低コストです。
加えて、チタン会員の75%加算や、実際にマイル移行させた時の6万ポイント毎の25%ボーナスを考慮すると、
200USドルあたり1456マイルもらえる恐ろしさ!
書いていて、本当に計算が合っているのか自信が無くなってきました。
クレカではもちろん、SPGアメリカンエキスプレス。
保有するだけでゴールド会員に昇格です。
宿泊で得られるポイントも+25%で、832マイル相当。
ポイントを利用する
宿泊で利用する
リッツ・カールトン東京に宿泊すると仮定して、
無料宿泊必要ポイントは、8万5000ポイント=28333マイル
現金宿泊で3月4月なら一泊55000~136000円
利用マイル単価1.9~4.8円
利用マイル単価だけを見ると現金宿泊が良さそうなんですが、他のホテルグループに比べてポイント獲得コストが断然低いのでポイント宿泊でも良いかなぁ、悩むなぁ、という感じですかね。
マイルに交換する
上でも書いたのですが、マリオットポイントの凄さはマイル移行にあります。
ただでさえ3ポイント=1マイル
他社のレート、1割とか2割に対して、3割3分3厘。
加えて、
6万ポイントを2万マイルに交換ごとに追加で5000マイルもらえる25%増ルール。
私の考えとしては、マリオットは通貨(クレカ)払いでポイントをガンガン貯め、ポイントはジャブジャブとマイルに交換して特典航空券でビジネスクラスに乗ったらお得だと思っています。
マイルとしての取得単価は最高効率のアンバサダー会員で、約15円
ホテル宿泊だけで利用するにはもったいなさすぎます。
Let's クルージング!
マリオットのポイント利用方法で面白いのは『船旅』です。
今回調べた4グループの中で唯一、 各種クルーズの割引に利用でき、またクルーズでホテルポイントを獲得することが出来ます。
25万ポイントあれば、
6泊7日カリブ海クルーズを、海側バルコニー付きの部屋で楽しめます。
船内のプールやアトラクション、各種ショータイム!
寄港地でのダイビングやオプショナルツアー。
マイアミ往復込みで10連休!
思いっきり楽しめそうです。連休さえ取れればね...。
他ではヒルトンにもクルーズの項目はありましたが、実際にはそのページは見つかりませんでした。
⇧マリオットから飛んだ先の船旅へのページです。
船旅で得られるマリオットポイントやマリオットポイントの船旅利用も案内されています。
トラベルパッケージ
マリオットは他にも
ポイントを任意の1ホテルの連泊+エアラインマイルに交換できる『トラベルパッケージ』というプログラムを用意しています。
連泊(分割できない)=連休が必要なので私はまだ検討の対象にしていないのですが、ブログで書いておられる方も多いのでそちらも探してみて下さい。
https://www.marriott.co.jp/loyalty/redeem/travel/packages.mi
さて、マリオットは他のホテルチェーンと比較しても大盤振る舞いとも思えるマイル付与率ですが、それは買収したSPGのレートをそのまま変換したものでした。
その代わり、SPGでは25滞在でプラチナ会員を維持できた制度も、500泊でライフタイムプラチナに成れた制度も改悪されてしまいました。
薄く広い層に好い待遇を与える制度というものは、いずれ改悪や衰退してしまうものです。
経営に問題が起きたとき、この断然高いマイル付与率も悪化するかもしれません。
それを頭に入れて付き合っていくしかありません。
アコーホテルの場合
けっこう大きいアコーホテルズ
売上:19.3億ユーロ
約21.8億USドル
フランスに本拠を構えるホテルチェーン
90か国に3500軒以上のホテルを運営
宿泊でポイント獲得
基準はユーロ
1ドル=2.2ポイント
1ユーロ=2.5ポイント
(アコーホテルズHPより)
無料宿泊に使えるポイントと、ステータスUPに使えるポイントが分けられているようです。
ユーロ前提ですが、基準を合わせるためにUSドルで計算します。
宿泊: 1USドルごとに2.2ポイント
マイル換算: 4000ポイント =2000マイル
200ドル宿泊で440ポイント=220マイル
エリートなら最高 で387マイル
ポイントの取得単価はマイル換算で、約100円
ポイントを利用する
私の理解が間違っていなければ、
アコーホテルズのポイント利用はポイント&キャッシュに限られるようです。
ただ、各ホテルの必要ポイント数は決まっておらず、
2000ポイントを利用して料金から40ユーロ差し引く、柔軟性のある方法です。
繁忙期でも使いやすい反面、必要ポイントが跳ね上がりますので大量のポイントをプールしておかなければなりません。
しかし、アコーホテルズでは4000ポイントを2000マイルに移行できます。
ということは2000ポイントとは1000マイルです。
40ユーロ(約5000円)を割り引いてもらうために1000マイルを使う?
確かにマイル単価5円で利用しているのだけれども...。
マイルにする
4000ポイント=2000マイルに交換できますが、
交換先にJALとANAは無く、航空会社も少ないので使い方を考えて交換しましょう。
あとは欧州鉄道『ユーロスター』と提携しています。
4000ポイント = 350クラブユーロスターポイントに交換。
問題は、その350ユーロスターポイントで何ができるか判らないことですかね。
「座席アップグレードは500ユーロスターポイントからできます」
この世の中は謎と不思議に満ち溢れているようです。
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まとめ
しっかり計算したつもりですが、勘違いや間違っていたらごめんなさい。
ご指摘いただけると嬉しいです。
ホテルのポイントを得る=宿泊する、ですからポイント取得コストだけに拘らず、立地や行きたい旅行先、ホテル自体の好みで選ぶと良いと思いますが、
せっかく獲得したポイントですから出来るだけ効率的に利用したいものです。