"ステイタス"なるものがあれば、どうやら人生というステージを豊かにしてくれるようです。
たった一年間、飛行機に多く乗り、クレジットカード1枚を持つだけで生涯"お得意様"として扱ってもらえるSFCやJGCはステイタスを強く印象付けてくれます。
が、今考えてみれば私が漠然と"ステイタス"っぽいものを初めて浮かべたのは、昔読んだ漫画『銭っ子』(水島新司)だったような気がします。
閉店後の証券会社の裏口に立つ乞食の少年(主人公)。
従業員は追い払おうとしますが、社長はにこやかに応接室へ迎え入れます。
当然のようにソファに座った少年は計100円にも満たない小銭をテーブルに出します。
社長は問います「次はどこを買いますか?」
実はこの乞食少年は、多くの上場企業の株式を持つ資産家だったのです。
何といっても主人公が口ずさむこのフレーズが強烈でしたね。
銭や!銭さえあったら何でもでける!
当時はステイタスなんて言葉は知りませんでしたが、
乞食っぽい少年が、(よくわからないけど)豪華な部屋に招き入れられて、立派な(に見える)大人に下にも置かない扱いを受ける。
おぉぉ!すげぇよ! と思いました。
一般ピーポーにとり、現実世界(リアル)ではありえない状況です。
いえ、状況でした!(過去形)
巨額の資産や後ろ盾など何もない一般人が、行く先々で好待遇を受けられる。
そういう奥義があることを知ってしまったのです。
奥義の名は『クレジットカード』
無論、完全無料ではありませんが微々たる年会費だけで、初めて利用する施設でも常連のように振る舞えて、同行者に「したり顔」ができるのです。
それらを幾つか見ていきます。
vs マリオット
SPG,リッツカールトンとの統合を(一応は)終え、新しいプログラム名を『マリオット・ボンヴォイ』として出発しましたが、SPG時代のカードは現役です。
みんな大好きSPG
"SPG アメックス"と検索すれば、 いくつもの記事やブログが出てきます。
それだけ記事にできる材料(ネタ)が多いってことですね。
マリオットホテルに買収統合されたSPG(スターウッドプリファードゲスト)グループ。
買収前にアメリカンエキスプレスと提携して発行していたクレジットカードは秀逸でした。
いぇ、現在も秀逸です。
このカードを持つだけで!
マリオットグループに年間25泊はしないと付与されない「ゴールド・エリート」を最初から得ることができます。
このカードを持てば、初めての宿泊からゴールド・エリート会員になれるのです。
ゴールド・エリートになれれば?
細かいことは書きませんが、
通常、昼12時にチェックアウトのところ、14時まで延長可(混み具合による)
予約した部屋よりも上位の部屋へアップグレード(混み具合による)
が受けられます。
状況により、クラブフロアへアップグレードされればラウンジやフィットネスも使用できます。
それが、世界中どこへ行っても!ですよ?
(ラウンジやフィットネスがないホテルもあります)
プログラム名 マリオット・ボンヴォイ
付与ステイタス ゴールド
年会費 ¥31000+税
表現上のレートは変っていますが、知人からの紹介加入で実質13000マイル(JALANA基準)を無料でもらえるキャンペーンは続いています。
このカードはなかなか手放せません。
ニックネームと連絡先メアドがあれば紹介できますので、右の連絡フォームからご連絡ください。
vs ヒルトン
アメリカの資本主義を体現してきた有名、トップクラスの高級ホテル。
日本国内でも外資系としては多い17ホテルを展開。
この(ゴールド)カードを持つだけで!
ヒルトングループに年間20滞在しないと付与されない「ゴールド」を最初から得ることができます。
このカードを持てば、初めての宿泊からゴールド会員になれるのです。
ゴールドになれれば?
滞在中、本人+1名分の朝食が毎朝無料になります。
また、レイトチェックアウトも可能(混み具合による)
予約した部屋よりも上位の部屋へアップグレード(混み具合による)
が受けられます。
状況により、クラブフロアへアップグレードされればラウンジやフィットネスも使用できます。
それを世界中の4000軒以上のホテルで受けられます。
(ラウンジやフィットネスがないホテルもあります)
プログラム名 ヒルトンHオナーズ
付与ステイタス ゴールド
年会費 ¥13950(税込み)
ヒルトンにはさらに上のカードがある
ゴールド会員でも毎朝食が無料のヒルトンHオナーズ・ゴールドカードですが、下のカードを持つだけで、年間20滞在が必要なゴールド会員が付与されるのはもちろん、
年間10滞在するだけでダイヤモンド会員になることができます。
それが、プラチナカード
ダイヤモンドになれれば?
ゴールド会員の特典は全て付いたうえで、
スイートも含めた上位部屋へアップグレード可能(混み具合による)
のサービスが受けられます。
クラブフロア以上へアップグレードされなくてもラウンジやフィットネスの利用は無料でできます。(ラウンジやフィットネスがないホテルもあります)
宿泊によって得られるホテルポイントは通常の2倍。
プログラム名 ヒルトンHオナーズ
付与ステイタス ゴールド (10泊でダイヤモンド)
年会費 ¥66500(税込み)
vs ペニンシュラ東京
香港(香港&上海ホテルズ)を拠点とするペニンシュラホテル
世界最高級ホテルブランドの一つ。
系列ホテルが世界で10軒しかないのに常連としてお得意様になるにはどれだけの苦労が必要なのか、誰か教えてください...。
このカードを持つだけで!
正式名称は「ザ・ペニンシュラ東京との提携によるアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」
長いです!
正しい認識としては、ペニンシュラの会員制度としての付与はありません。
ザ・ペニンシュラ東京に滞在中に受けられるサービスは
滞在中、本人+1名分の朝食が毎朝無料になります。
また、最大17時までのレイトチェックアウトも可能(混み具合による)
予約した部屋よりも上位の部屋へアップグレード(混み具合による)
が受けられます。
状況により、クラブフロアへアップグレードされればラウンジやフィットネスも使用できます。
このカードは、アメリカンエキスプレスがペニンシュラ東京とだけ提携したカードですが、海外のペニンシュラでも
ルームアップグレード
は受けられます。
プログラム名 ------------------
付与ステイタス ------------------
年会費 ¥29000+税
改めて見ると、この年会費って普通のアメリカンエキスプレスゴールドカードとほぼ変わらないんですよね。
このペニンシュラ提携カードは通常のアメリカンエキスプレスゴールドカードの特典をすべて使えた上にペニンシュラ東京で優待を受けられるので、ゴールドカードだけ持ってる人って、こっちに切り替えた方がお得ではないのかな?と思ったんですが、どうなんでしょ?
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vs 帝国ホテル
日本が世界に誇る、というか明治時代に「外国人に対して日本を代表できる大型ホテル」として建設された高級ホテル。
明治時代に欧米から「文化の遅れたアジアの小国」とみられていたイメージから脱却するため、国の威信をかけて建設されたといっても過言ではないと思います。
このカードを持つだけで! はなかった・・・
このカードだけで入会できるのは、インペリアルクラブという会員制度でした。
宿泊しなくても有料で、宿泊すれば無料で「インペリアルクラブラウンジ」でお茶やコーヒー、ソフトドリンクがいただけます。www.imperialhotel.co.jp
ただ、もう一つ、インペリアルクラブに入会が前提の会員制度「ザ・クラブルーム」というものがあります。
会員のメリットは
帝国ホテル内の会員制サロン!
利用できるのはクラブルーム会員+同伴者だけ。
年会費は80000円+税
このクラブルーム会員になれるもう一つの前提条件に「帝国ホテルで結婚式を挙げた人」もあります。
皇室をはじめ上場企業役員の子息子女等、「帝国ホテルで結婚式を挙げることができる人」は限られてきます。
本当に限られた人しか利用できないサロン。
この年会費の価値を正しく判断することが私にはできませんが、判断できる方にとっては非常に価値のある会員制度ではないでしょうか。
プログラム名 インペリアルクラブ+クラブルーム
付与ステイタス ------------------------
年会費 ¥10000+税&80000+税
vs オークラ・ニッコー
帝国ホテル、ホテルニューオータニと並び、日本のホテル御三家と言われるオークラホテル。
JALが主導権を手放した日航ホテルを吸収し、国内で46ホテルを運営するグループです。
このカードを持つだけで!
グループホテルに年間10滞在しないと付与されない「ロイヤル」を最初から得ることができます。
このカードを持てば、初めての宿泊からロイヤル会員です。
ロイヤルになれれば?
細かいことは書きませんが、
レイトチェックアウトも可能(混み具合による)
予約した部屋よりも上位の部屋へアップグレード(混み具合による)
が受けられます。
プログラム名 ワン ハーモニー
付与ステイタス ロイヤル
年会費 ¥10000+税
外資系の大手ホテルにはよくあるのですが、自社のHP&アプリからの予約やホテルへ直接電話しての予約以外では宿泊しても実績にはならない。旅行会社経由などですね。
しかし、このオークラニッコーグループは旅行会社等経由でもカウントされるのです。
まぁ、そうしないとJALからのツアー予約がカウントされないって不利益になりますからね。
そういう面ではパッケージで予約しても安心なホテルグループではあります。
ワンハーモニーについては、お遊び的な話も書いてみました。
ここまで見てきた、帝国ホテルを除くマリオット、ヒルトン、ペニンシュラ、オークラニッコーのクレジットカードを全部作成すれば、
年会費は税込み89550円になります。
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全てを覆すこの1枚
ホテルには「格」というものがあります。
国の元首級(国王・王族・大統領・首相)が国賓や公賓として外国を訪れた際に、ドミトリーに宿泊することはありません。
ホスト国が迎賓館あるいは同等の格を有したホテルを斡旋することになります。
(ゲスト国が自国系のホテルを指定する場合もあります)
宿泊の値段ではなく、格です。
それはサービスであり、料理であり、規模であり、セキュリティにおいて第一級であると、国が認めた証左です。
文字通り、ホスト国のプライドがかかっています。
国賓級のゲストを満足させるサービス、星を獲得できるほどの料理(レストラン・シェフ)、返礼の晩餐を開くことができる規模、ゲストが安心できるセキュリティ。
このホテルなら大丈夫。
世界各国のトップクラスのホテルが加盟する「ザ・リーディングホテルズ of the World」
日本では、帝国ホテルとパレスホテルしか加盟できていません。
ここ重要→両ホテルグループ、ではなくこの2ホテルだけ、です。
昨年、初の米朝首脳会談が行われたシンガポールの「カペラ」も、同国に2つしかない加盟ホテルの一つでした。jp.lhw.com
もちろん、そのサービスが一般利用客には手のひら返しということはありませんが、そういったホテルを"お得意様"然と利用できるようになるにはなかなかに高いハードルが待ち受けているでしょう。
しかし、その心配を杞憂に終わらせるクレジットカードがありました。
「アメリカンエキスプレス プラチナ カード」
年会費 ¥130000+税
という高額さですが、マリオットホテルとヒルトンホテル、ラディソンホテルでゴールド会員、下にリンクを入れたシャングリ・ラホテルでジェイド会員のステイタスが公式に付与されます。
それどころか、上に上げた帝国ホテル、パレスホテルを含む世界のトップクラスのホテルが加盟するザ・リーディングホテルズの利用でも、常連客に遜色ない待遇が受けられると聞いております。
アメリカンエキスプレスのプラチナカード以上は、このカードでステイタスアップする、というよりプラチナカードホルダーであることがステイタスなのではないでしょうか。
このカードを持つだけで!
リーディングホテルズ
プログラム名 リーダーズクラブ
付与ステイタス クラブ
年会費 $175
シャングリ・ラ
プログラム名 ゴールデンサークル
付与ステイタス ジェイド
保有されている方は多いと思いますが、私がいつもブログを拝読させていただいている中では、この方々が保有していらっしゃいます。(順不同)
審査等ハードルの高いカードですが、保有している方からの紹介であれば比較的通過しやすいらしいです。
いつかは持ってみたい1枚ですね。
こんな裏ワザありですか?
ホテルで良い待遇を受けるためにクレジットカードでステイタスアップできる方法を書きましたが、
他にこんな方法もあります。
ステイタスマッチ
同業他社のお得意様を引き込むために、
「他社でステイタス付けされている方は良い待遇をしますよ」
と、未利用でも申請することでステイタスアップしてもらえる方法です。
一例を挙げると、ベストウエスタンホテル
世界で4200軒のホテルを運営しています。
ステイタスマッチを積極的に受け付けていて、
他社では最上級会員だけど、とりあえず一個下でステイタス付けしますね。
のようなことはなく、
最上級会員は当社でも最上級会員ですよ。
原則、他社保有ステイタスと同等にマッチします。
が、ベストウエスタンホテルの姿勢だそうです。
でも、どの受け入れ先もステイタスだけでなく、過去の利用実績の提出を求めることが多いですから、現ステイタスでの堅実な利用も大切ですね。
Virtuoso
ホテルのステイタスにこだわる大きな理由には、良い待遇を受けるという目的があります。
が!
ステイタスがなくても良い待遇が受けられるなら?
普通は一見さんでしか利用できないホテルに
なんかコネっぽいものがあって、
トラベルアドバイザーなる会ったこともない人物が
「今度さ、知り合いがそっちに泊まるから良い部屋にしてあげてよ」
と伝えてくれるようなシステムがあったとしたら?
そんな夢のようなサービスがあるらしいのです。
私はシェラトンやクラウンプラザあたりが精一杯でまだ使ったことがありませんが、
「来月、ペニンシュラに泊まるんだ」とか、とか、オテル・リッツ・パリじゃあ!という場合には良いのではないでしょうか。
こちらのブログで説明されています。
旅行に宿やホテルは避けて通れないものですから、いろんな手段で待遇を上げて楽しい旅にしたいものです。