マリオットグループのホテルに年間50泊以上することで会員レベルが上がって、様々な特典(待遇)を得ることができます。
年ごとにリセットされますから、翌年も良い待遇を得ようと思えば毎年宿泊を続ける必要があって、"用事はないけどホテルに宿泊する"、"移動先の宿泊ホテルを集約する"ことを『ホテル修行』と呼んだりします。
(他のホテルグループでも同様の制度がありますが、今回はマリオット系です)
修行だと言うのなら、つらく厳しい条件でも良さそうですが、
そこは業(ごう)が深いと言いますか、欲を捨てきれぬ衆生の身。
できれば快適に過ごしたいものです。
まして血反吐を伴うようなつらい宿泊はむしろホテルから追い出されますし?
マリオット系でも比較的リーズナブルなお値段で知られるシェラトンホテル。
中でも修行に利用されやすい、横浜/大阪/神戸のシェラトンホテルの快適さを比較してみたいと思います。
プラチナになってからシェラトン東京に泊まったことがないので東京、およびディズニー目的が中心の東京ベイは除外します。
条件
・現プラチナ会員以上が確実に特典を享受できる
・客室アップグレードは流動性があるため比較しない
簡易比較表
結論としての比較を簡単に一覧にしてみました。
私個人の主観が入っていることを強調しておきます。
立地と利便性
まず立地です。
先述の通り、比較的リーズナブルなシェラトンブランドの各ホテル。
オフシーズンなら安く泊まれる場合もあるでしょうし、
海外ならコスパも良くて雰囲気の良いところも多いです。
が、しかし!
「今月中にあと2泊」「今週中に1泊放り込めれば...」
など突発的に泊数を稼がなければならない場合、そういったホテルは選択肢に入りません。
コンスタントに予約を入れられてアクセスも良いとなれば国内、それも都市部に頼るしかないのです。
そういう意味では横浜、大阪、神戸のシェラトンはマリオットのホテル修行に鉄板の需要があります。
泊数稼ぎだけならモクシー(錦糸町、大阪)もありますが実際に宿泊してみると・・・?、多少の金額差ならシェラトンを選びますね。
横浜ベイシェラトン
神奈川県横浜市 JR横浜駅前
ホテルから羽田空港へ直行バスがある他、JRと京急、地下鉄で新横浜、品川、東京駅、成田などアクセス至便。
ルミネ、高島屋、そごう、ヨドバシ、その他周辺に飲食店多数
シェラトン都ホテル大阪
大阪府大阪市 近鉄上本町駅直結。
日本最長の営業距離私鉄である近鉄。阪神電車との相互乗り入れで東は奈良・三重・名古屋、西は神戸・姫路までカバー。
大阪市内を縦横に網羅する地下鉄、「谷町九丁目」駅真上。
JRへは鶴橋まで一駅。天王寺(あべの)駅まではシャトルバス往復無料(期間限定)
伊丹空港と関西空港へは定期リムジンバスあり。
近鉄百貨店と新歌舞伎座に隣接。
神戸ベイシェラトン
兵庫県神戸市 六甲アイランド
埋め立て地である六甲アイランド。無人交通システム六甲ライナーでJR・阪神電車と連絡。
乗り継ぎになるため、都市中心部として一番近い神戸・三ノ宮へも20分前後。
新神戸駅と三ノ宮駅への有料シャトルバス
関西空港へはリムジンバスが出ているが、伊丹空港へは直行便はなく、一度、三ノ宮へ出たのち空港リムジンバス。
土日はユニバーサルスタジオジャパンへ有料バスがあるものの、往路:朝、復路:夜のみ。
利便性についてはやはり横浜ベイシェラトンが圧倒的に有利で、関西空港以外に定期直行便がない神戸ベイシェラトンには厳しいものがあります。
クラブラウンジ
高級ホテルに宿泊するなら絶対に利用したいのが『クラブラウンジ』
ホテル修行は、クラブフロアに泊まれなくてもラウンジにアクセスする権利を獲得するためと言って過言ではありません。
クラブラウンジで提供されるサービスには
・(日中)コーヒーや紅茶、スナックなど
・(時間指定)アルコールを含む各種ドリンク
・(時間指定・ディナー前のつなぎ的な)軽食
・ビジネスサービス
などがありますが、そのうちの軽食とお酒が提供される『イブニングカクテル』をみてみます。
横浜 26階
(横浜ベイシェラトンHPより)
50席程度 カウンター席あり
スープと少しのホットミール
席も多いが利用者も多い。スタッフが頻繁に巡回し空き席確保に奔走。
26階は意外と高く、夜景が映える。
大阪 18階
20席程度 カウンター席無し
単身利用も多く、実質10名くらいで満席
4種類ほどの小鉢が並ぶ。ホットミールなし。
小腹を満たすには量的にまったく足りず。
とにかく部屋が狭く席も不足。
席に座れて、軽く飲めればラッキーと考えるべき。
神戸 19階
40席程度 カウンター席あり
(神戸ベイシェラトンHPより)
ホットミールはありませんが、席につくと三種盛り(日替り)の小鉢が出されます。
そのほか、チーズやハム、クラッカーなどを置いてあります。
マカロンが常備してあり、ついついポリポリ食べてしまうので糖分に要注意。
外気温が気にならないのであれば、4卓8席のテラス席がありますので六甲山方面の夜景を見ながらグラスを傾けるのもよいでしょう。
軽食の量も種類も少ないので、やはりマカロンをポリポリと・・・。
最近は、カクテルをセルフで作りやすいようにしてあります。
スポンサーリンク
お風呂
「お風呂にする? ご飯にする? それともタ・ワ・シ?(ハート)」
1日の疲れを癒やすのにお風呂は欠かせません。
宿泊した部屋にバスタブが無ければがっかりしますし、ホテルに浴場施設が併設してあれば思わずガッツポーズもしてしまいます。
客室のバスタブでもよいのですが、何らかの大浴場があればそちらを使いたいものです。

横浜ベイシェラトン
浴場設備がありません。
シェラトン都ホテル大阪
浴場設備としては無いのですが、5階の都ヘルスクラブにフィットネス用として設置されています。
(シェラトン都大阪HPより)
バスタオル、フェイスタオルはもちろん、洗いタオルとひげ剃りも完備。
神戸ベイシェラトン
ホテル内湧出の温泉『濱泉』
神戸ベイシェラトンに宿泊する価値の3割強はこの温泉が占めているのではないかと思われます。
それぞれの湯船はそう広いわけではないのですが、やはり"天然温泉"のフレーズには心が揺れます。
神戸に泊まると『濱泉』があるために客室のバスルームを使わないこともしばしばです。
朝風呂、最高~~~~っ!
クラブフロア、レディースフロアからは専用エレベーターがあり、パブリック用の服に着替えなくても備え付けの浴衣で向かえます。
歯ブラシ、ひげ剃りは部屋のものを持ち出さなくてもカウンターに常備。
風呂上がりには冷たいお茶を飲めるほか、カウンター営業時間内なら有料でアルコールもいただけます。
フィットネス プール
プラチナ会員以上は、宿泊するだけでホテルのフィットネスクラブを無料で利用できるのも特典の一つです。
世界のエグゼクティブなパーソンは体調管理に厳格です。
ありあまる金融資産も、健康でなければ使うことができないのですから。
時間のない彼らに運動というサービスを提供するのも高級ホテルの役割。
フィットネス設備が整うホテルレベルではマシントレーニングも出来ますが、さらに上の設備はプールです。
都市部であっても十分な敷地の確保、衛生に気を遣う設備。シティホテルの証です。
そして水泳という全身運動。歩行運動であってもひざや関節の負担を減らして運動することができます。
負け組ではなく捕食する側として人生の勝者を目指し戦う日々を送りながら、しばしその身体をプールに浮かべ、
水中に揺蕩(たゆた)い、バクバクする心臓の鼓動に命を感じ、少しの無重力感に身体をまかせていると、あなたはこう考えるはずです。
「今夜は魚が食べたい・・・」と。
横浜ベイシェラトン
(横浜ベイシェラトンHPより)
7階スポーツクラブ
プール長は15メートル。コースも3レーンで物足りなさが目立ちます。
周囲はガラス張りで採光はよいのですが、道路をはさんでいるとはいえビルに囲まれているのが難点。
夜は隣のJTBの赤いサイン看板が気になりました。
シェラトン都ホテル大阪
(シェラトン都大阪HPより)
5階都ヘルスクラブ
都市部のホテルなのに25メートルプール。しかも6レーンは圧巻。
天井は開閉式のガラスドーム。
開口部の長さがちょうどプールの端に合わせてあり、背泳ぎでも天井を見ていればコースエンドが判ります。
本格的な造りでそのまま競技用に使えそう。かなりのゼイタクだと言えます。
ちなみにマシンルームは、今年のG20直前に新装されたばかりです。
神戸ベイシェラトン
(神戸ベイシェラトンHPより)
5階ザ・ベイクラブ
20メートルのレーンが3つ。
仕事帰りに立ち寄るフィットネス会員(サラリーマン)をチラホラ見ます。
プールの周りにはゼイタクなウッドデッキにウッドチェア。
このチェアを見て私は考えました。このプールは"売り"を間違えているのではないかと。
(神戸市の)南(に埋め立てた人工島)の(六甲)アイランドにあるプール。
リゾート風にしませんか?
室内にパラソル立てて、トロピカルドリンクも注文できるように!
プールを含むフィットネスでは頭一つ抜けてシェラトン都大阪完璧!の評価なんですが、ここで一つ問題発生。
シェラトン都大阪のプールは5階、マシントレーニングは地下1階。
移動するには周囲の人々に気を遣います。
海パン一枚の姿で、
プール→宴会場→レセプション(フロント)→朝食会場を横目に見ながら→エスカレータ下り→ハルカス行きバス停前→地下街前階段→マシンルーム
これでは、
ホテル内トライアスロンが行いづらい!
※行ってはいけません。
サウナ
修行と称してシティホテルに宿泊するほど(物理的に)太っ腹ですから、キュッとお腹をシメたい時もあるわけです。
サウナの熱に耐え、身体の水分を絞り出し、肌表面の皮脂等も取り除いてツルツルに。
そして、我慢に我慢を重ねたあとの! クラブラウンジでのガブ飲みが沁みるわけですよ。←絞った意味がない
横浜ベイシェラトン
サウナルームは暗く、五人入れば窮屈なうえ、湯船も水風呂もありません。
運動してシャワーを浴びた後の水分補給は、紙コップで水。
シェラトン都ホテル大阪
明るく、広い部屋で熱量も充分!汗がダラダラと流れ落ちる快適さ。
水風呂は16~17℃と充分に低く、しばらく浸かっていると"縮み"ます。
カツオの叩きってこんな気持ちなんですね。
フィットネス会員の親父さんたちも利用頻度が高いようです。
隣に湿式サウナ併設
(シェラトン都大阪HPより)
フィットネスのラウンジは広く、ボトルのスポーツ飲料、サーバーで炭酸水・コーラ、ジュースなどをいただけます。
神戸ベイシェラトン
神戸ベイシェラトンにはサウナが2つあります。
5階ベイクラブ内
4名ほどが入れます。
プール上がり、運動後ならこちらでもよいのですが、せっかく温泉施設があるのでそちらも。
3階の温泉『濱泉』内に設置
明るく、10名くらいは余裕で入れて、大画面テレビもあります。
しかし、温度は高いのになぜか熱量が少ない。汗を絞り出すのに時間がかかります。
併設の水風呂はややヌルめで、シメるには物足りない感じ。
悪くはない、悪くはないのですが、と注釈を付けつつ、焼き入れ焼き戻しがヌルいのが玉に傷。日本刀で言うならナマクラな感じが否めません。
3名入れる湿式サウナ(ホットカウチ)が併設されています。
スポンサーリンク
朝食
ホテル滞在の最後を飾る朝食。
朝食の善し悪しがそのホテルの有終の印象を決めると言っていいかと思います。
メニュー等の内容は比較対象ではありません。
横浜 2階『コンパス』
クラブラウンジかコンパスかの択一ですが、まだクラブラウンジで朝食を摂ったことがありません。
広めのオープンキッチンを設置してあり、フォーやオムレツを作ってもらえます。
ホットドリンクのコーナーには紙コップも用意してあって、紅茶やコーヒーを部屋に戻る際に持って帰れます。
大阪 2階『ゆう』
ラウンジでの用意はなく、ゆうだけでの朝食になります。
ただし日曜日のみ最上階『トップオブ都』でも食事ができます。
オムレツはテーブル備え付けの用紙に記入してエッグスタンドに依頼します。
部屋に戻る際に、コーヒーだけ紙コップでテイクアウトできます。
神戸 19階クラブラウンジ
プラチナ会員以上であっても1階『ガーデン』での食事は付属しませんので、朝食付プランでない限りクラブラウンジでショボいモノを食べなければなりません。
上級会員としてシティホテルに宿泊して惨めな気分が味わえるという珍しい体験ができます。
(いゃホント、マジで悲しくなりますよ、アレ)
横浜も大阪も朝食が付属するうえに特典としてアメニティのポイントも付くのに、神戸だけはアメニティか朝食かの選択になります。
クラブラウンジの朝食はショボいのを通り越してみじめな気分になるので、宿泊アメニティの1000ポイントと引き換えてでも1階『ガーデン』で朝食を摂りましょう。
そうでなければ近くのマ○ドナルドに行ったほうがマシです。
以前はガーデンでも食事ができたのですが、BONVOYになってから待遇が悪くなりました。
ここの経営(ホテルニューアワジ)、マリオットの規定を杓子定規にとらえ過ぎじゃないですかね?
終わりに
いかがでしょうか?
バリバリ主観の入りまくった、シェラトンホテル比較。
質素倹約にはほど遠い、欲にまみれた"ホテル修行"の一助になれば幸いです。